1月29日は「人口調査記念日」。この日は、明治政府が1872年に日本で初めての近代的な全国戸籍調査を実施した記念すべき日です。一見すると単なる数字の羅列に思える人口調査ですが、そこには日本の壮大な歴史と驚くべき発展の物語が隠されているのです。
実は日本の人口把握の歴史は、はるか昔、645年の「大化の改新」にまで遡ります。当時は年貢を徴収するための制度として始まった人口調査。それが時を経て、近代国家の礎となる重要な統計調査へと進化を遂げていったのです。
1872年に実施された戸籍調査は、「壬申(みずのえさる)戸籍」と呼ばれ、まさに日本の近代化の象徴とも言える出来事でした。この調査で明らかになった当時の日本の総人口は、およそ3311万人。男性が約1680万人、女性が約1631万人でした。
ここで驚くべき数字をご紹介しましょう。2015年の国勢調査による日本の総人口は、なんと1億2709万人以上! わずか143年の間に、実に9000万人以上も増加したのです。この劇的な人口増加は、日本の急速な近代化と発展を如実に物語っています。
人口調査は、単なる人数合わせではありません。それは、その時代を生きた人々の姿を映し出す鏡であり、社会の変化を読み解く重要な手がかりなのです。明治時代から現代まで、日本は幾多の変革を経験してきました。戦争、高度経済成長、そして現代の少子高齢化まで、すべての社会変動が人口統計に反映されているのです。
「壬申戸籍」から始まった近代日本の人口調査。それは国家の「健康診断」とも言える重要な取り組みでした。現代では、より詳細な統計手法と高度な分析技術により、人口動態を多角的に把握することが可能になっています。
1月29日、人口調査記念日。この日は、数字の向こうに見える日本の歴史と、そこに生きた人々の物語に思いを馳せる特別な機会なのです。人口統計は、過去を振り返り、現在を理解し、そして未来を展望するための、かけがえのない羅針盤なのかもしれません。
私たちは今、人口減少時代という新たな課題に直面しています。しかし、150年以上前から続く人口調査の歴史は、日本が幾度となく困難を乗り越えてきた証でもあるのです。