110番の日:緊急通報用電話番号の由来と意義

1985年(昭和60年)に警視庁によって制定され、翌1986年(昭和61年)から実施されているのが「110番の日」です。

この記念日の日付は、緊急通報用電話番号である110番に因んでおり、目的は110番に対する関心を喚起し、その適切な利用を推進することです。毎年この日には、警視庁での通信指令センターの一般公開など、全国の警察機関において関連のキャンペーンが展開されます。
今回は、110番の日にちなんで、その由来や意義、注意点についてお伝えします。

 

110番の由来

警察番号の統一

110番は、戦後の連合国軍最高司令部(GHQ)の勧告に基づいて、1948年(昭和23年)10月1日に東京などの8大都市で導入されました。当初、東京ではすでに110番でスタートしましたが、大阪・京都・神戸では1110番、名古屋では118番など、地域によって異なる番号が使用されていました。全国で110番に統一されたのは、1954年(昭和29年)のことです。

110番が選ばれた理由にはいくつかの要因が挙げられます。まず、110番は覚えやすい番号であるため、緊急時に迅速な通報が可能となります。また、誤報を少なくするために番号は3桁であることが重視されました。さらに、電話機のダイヤルで黒電話のストッパーまでの距離が短い「1」が多く、これも選定の一因とされています。

 

安全・安心の象徴

「110」は現在、日本国内での緊急通報番号として広く認知され、安全と安心を象徴する存在となっています。緊急時には警察、消防、救急など、様々な緊急サービスに迅速にアクセスできる唯一の番号です。

 

110番の日の意義

普段からの覚え方

110番の日は、この特別な数字を覚え、普段から緊急時のための備えを心掛ける日です。自分や周りの人々が安心して生活できるよう、緊急時の対応策を考えるきっかけとなります。

 

知識の普及

110番の日は、特に子どもたちに対して緊急時の知識を普及させる良い機会です。親や教育者が子どもたちに「110番」の意味や使い方を教え、緊急時に正しく行動できるようサポートすることが重要です。

110番の日の注意点

滞りなく通報

緊急時には迅速な対応が求められます。110番への通報は的確で冷静な情報提供が必要です。冗談や軽はずみな通報は避け、本当に緊急の場合に利用しましょう。

 

間違えないように

他の番号や緊急連絡先と110番を混同しないようにしましょう。例えば、火災の際には「119番」が消防への通報です。正確な番号を使うことが的確な救助につながります。

110番の日を有意義に過ごす方法

1. 子どもたちと一緒に学ぶ

110番の日を機に、子どもたちと一緒に緊急時の対応について学びましょう。シンプルなロールプレイやゲームを通じて、正しい行動を身につけることができます。

2. 職場や学校で啓発活動

職場や学校で110番の日にちなんで啓発活動を行うのも一つのアイデアです。ポスターやフライヤーを使って、正確な情報提供の大切さを共有しましょう。

 

3. 家族で非常用の対応策を確認

110番の日を機に、家族で非常用の対応策を確認し、避難経路や非常用持ち出し品の点検を行うのも良い習慣です。

 

まとめ

110番の日は、日本全体で緊急時の備えや知識を普及させる一日です。この日を機に、家庭や職場、学校で緊急時の対応策を共有し、安全で安心な社会づくりに貢献しましょう。

自分自身が正確な情報提供ができるよう、そして周りの人々も同様に備えを共有できるよう、110番の日を大切に過ごしましょう。