本日3月1日は「デコポンの日」です。一見するとゴツゴツとした見た目ながら、一口食べれば誰もが虜になる魔法のような甘さ。この不思議な柑橘が初めて市場に登場した記念すべき日なのです。今回は、デコポン誕生秘話からその魅力まで、あますところなくご紹介します!
記念日の由来
「デコポンの日」は日本園芸農業協同組合連合会が制定した記念日です。1991年(平成3年)3月1日、熊本県から初めて「デコポン」が出荷され、東京の青果市場でデビューを飾りました。この歴史的な日を記念し、デコポンの素晴らしい美味しさを全国に広く知ってもらうために制定されたのです。この記念日は一般社団法人・日本記念日協会にも正式に認定・登録されています。
「デコポン」とは何者?
「デコポン」という名前を聞くと、何だか愛嬌のある響きですよね。実はこの名前、見た目の特徴からきているんです!果実の上部にある果梗部(かこうぶ:果実の柄になっている部分)に、はっきりとした「デコ(凸)」があることから名付けられました。まるで小さな帽子をかぶったような、ちょっとコミカルな見た目が特徴的です。
正式には「シラヌヒ(不知火)」という品種名を持ち、「デコポン」は熊本県果実農業協同組合連合会が所有する登録商標なのです。この不思議な柑橘は、「清見(きよみ)」と「ポンカン」の交配によって生まれた果物のサクセスストーリーの主人公なのです。
極上の甘さの秘密
デコポンが他の柑橘類と一線を画すのは、その圧倒的な甘さと食べやすさ!実は「デコポン」の名前を名乗れるのは、厳しい品質基準をクリアした果実だけなのです。なんと糖度13度以上、酸度1度以下という高いハードルが設けられています。
この基準をクリアしたものだけが「デコポン」の称号を得られるため、手にした時の期待を裏切らない美味しさが保証されているのです。皮も手で簡単に剥けて、種が少なく、果肉はジューシーで繊維質が少ないという、まさに至れり尽くせりの完璧な柑橘なのです!
全国を席巻する柑橘王
デコポンは初冬から翌春にかけてが旬。特に熊本県、愛媛県、和歌山県、広島県、佐賀県の5県がデコポン生産の中心地となっており、全国の生産量の8割を占めています。冬から春にかけての果物売り場で、あの特徴的な「こぶ」を見つけると、思わず手に取りたくなってしまうのは私だけではないはずです。
果物界のシンデレラストーリー
デコポンの誕生は、まさに果物界のシンデレラストーリー。登場以来、その驚異的な甘さと食べやすさで、瞬く間に日本中の果物ファンの心を掴みました。当初は「見た目が悪い」という理由で流通が危ぶまれましたが、一度その味を知った消費者から熱烈な支持を受け、今や冬の果物の代表格へと成長したのです。
デコポンを楽しむ方法
デコポンは生食で楽しむのが王道ですが、ゼリーやジャム、ケーキのトッピングにしても絶品です。また、皮を乾燥させて紅茶に入れると、爽やかな香りを楽しむことができます。
今日のデコポンの日には、ぜひ一つデコポンを手に取り、その驚異的な甘さを堪能してみてはいかがでしょうか。一口食べれば、なぜこの少し不格好な果物が、多くの人々に愛されているのか、きっと納得できるはずです。
ちょっとした凸凹が個性となり、唯一無二の存在になったデコポン。その物語は、私たち人間にも何か大切なことを教えてくれているのかもしれませんね。